「第1話 心に蓋をしていた私と、娘のSOS」

中学2年生、二学期のことでした。

娘がある日、ポツリと「学校に行くのがきつい」とつぶやきました。

お腹の調子も悪く、以前から人間関係に悩んでいたことも、少しずつ話してくれました。

けれど、当時の私は家のこと、仕事のことで心がいっぱいいっぱいで、

娘の言葉を真正面から受け止める余裕がありませんでした。

実は、私自身も毎日家に帰るのがつらかったのです。

結婚してから、夫の家族(義父母や小姑)と一緒に暮らしていました。

うまくやろうと必死でしたが、気を遣う毎日に疲れ切り、

心の奥ではずっと「ここから出たい」と思いながらも、

そんな気持ちに蓋をして、笑顔を作って過ごしていました。

娘が学校を休みがちになり、どんどん行きづらくなっていく中で、

私は焦りながら、娘を家に残して仕事に向かう日々を続けていました。

けれど、2週間ほどたったころ。

ふと、胸の奥で小さな声が聞こえました。

「このままでは、だめだよ」

私は思いきって仕事を休み、娘と過ごす時間を増やしました。

でも、これからどうなるんだろう――

そんな不安でいっぱいの毎日が始まったのでした。

(第2話へつづく)

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