中学2年生、二学期のことでした。
娘がある日、ポツリと「学校に行くのがきつい」とつぶやきました。
お腹の調子も悪く、以前から人間関係に悩んでいたことも、少しずつ話してくれました。
けれど、当時の私は家のこと、仕事のことで心がいっぱいいっぱいで、
娘の言葉を真正面から受け止める余裕がありませんでした。
実は、私自身も毎日家に帰るのがつらかったのです。
結婚してから、夫の家族(義父母や小姑)と一緒に暮らしていました。
うまくやろうと必死でしたが、気を遣う毎日に疲れ切り、
心の奥ではずっと「ここから出たい」と思いながらも、
そんな気持ちに蓋をして、笑顔を作って過ごしていました。
娘が学校を休みがちになり、どんどん行きづらくなっていく中で、
私は焦りながら、娘を家に残して仕事に向かう日々を続けていました。
けれど、2週間ほどたったころ。
ふと、胸の奥で小さな声が聞こえました。
「このままでは、だめだよ」
私は思いきって仕事を休み、娘と過ごす時間を増やしました。
でも、これからどうなるんだろう――
そんな不安でいっぱいの毎日が始まったのでした。
(第2話へつづく)