学校に行けなくなった娘を前に、
当時の私は、とにかく原因を探すことに必死でした。
お腹の不調をなんとかしようと、いくつもの病院を回りました。
整腸剤を試し、食事に気をつかい、それでも原因ははっきりしないまま――
先の見えないトンネルを、手探りで歩いているような日々でした。
「これさえ治れば、きっとまた学校に行けるはず」
そんなふうに思い込んでいた私。
けれど、本当は違ったのかもしれない。
娘は、疲れきっていました。
そんな娘の姿よりも、「学校に行かせなきゃ」と焦る自分の気持ちばかりが膨らんでいったのです。
そして、私自身も限界に近づいていました。
毎日の不安と焦りで、笑えなくなり、食事ものどを通らなくなっていました。
それでも、心のどこかで、まだ思っていました。
「どうにか、もとに戻らないかな」
「元気だったころの娘に戻ってほしい」
そんな私の姿を、娘はきっと苦しい思いで見ていたのだと思います。
今、振り返って思うのです。
あのときの娘の不調は、
私自身がずっと我慢して、無理をして、心をすり減らしながら生きてきた結果だったのかもしれないと――
(第3話につづく)